物語から得るもの ーー秋山みなみ

物語から得るもの ーー秋山みなみ

世の中は、インターネットや本、テレビや漫画等、たくさんの娯楽で溢れています。
新型コロナウィルスの影響で、おうち時間が多くなった今、特にそれらに触れる機会が増えたのではないでしょうか。

私は、元々テレビドラマやバラエティーが好きでしたが、おうち時間が増え、アニメにハマりました。
大ヒットしている「鬼滅の刃」はもちろんですが、ふと見た「斉木楠雄のψ難」から始まり、「東京喰種」「呪術廻戦」等、たくさんの作品を鑑賞し、特に友人からおすすめされた「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」には、とても心動かされました。

アニメに限らず、勇気づけられたり、笑ったり、時には涙したり…
誰でも一度は、そのストーリーに感情が動かされたことがあるはずです。

空想の世界ではありますが、私は物語から響いた言葉をピックアップするのが好きで、その言葉を自分と照らし合わせたりしています。
その中で、最近とても刺さった言葉がありました。

「”縮まらないから”と言って、それが前に進まない理由にはならない。”抜けないことは明らか”と言って、それが努力しなくていいということにはならない」

「3月のライオン」という作品での言葉です。
主人公の師匠が同年代の輝かしい成績を残す人と対戦する前に言った言葉なのですが、苦しい現実を突きつけられる中で、それでも前を向いて戦い続ける、なんとも言えない言葉で衝撃でした。

私も競技生活を続けていても、全く歯が立たない選手や姿を追えない選手が多くいます。いくら自分が強くなくとも、強くなるために練習、トレーニングを積み続け、自身を知ってもらうため、応援してもらうため、そしてそれを競技に還元できるようにSNSやイベント活動もやり続けています。
ITの世界では、まだ右も左も分からない新人なので尚更です。

華々しい結果を出している選手を横目に、もがき続けなくてはいけない。
もしかしたら永遠とその差は縮まることはないかもしれない。
でもその差がなかなか縮まらない、追い越せないからといって努力を怠ったり、諦めてしまえば、差が縮まることは永遠にありません。

苦しい現実ではありますが、暗闇の先にある小さな光に向かって努力し続けることが、何かを得ることに繋がるのではないかとこの言葉から感じました。

これはコロナ禍の状況とも重なる部分もあり、いくら変えられない現実に嘆いても事態は変わらない。ですが、今自分がこの状況で楽しめることを作ったり、見つけ出すことは出来るはずです。

世の中に溢れるたくさんの情報や娯楽の中から、お気に入りのものを見つけたり、学んだり、想像を膨らませたり…まだ自分が気づいていない人生を楽しむためのヒントやチャンスは、近くにたくさん転がっているのかもしれません。

秋山みなみ