努力は才能 ーー新井晴夏

努力は才能 ーー新井晴夏

“才能”を辞典で調べると「物事を巧みになしうる生まれつきの能力」と出てきます。

人それぞれに生まれつき備わった才能があるけれど、それを確実に見つけられるかどうかも、見つけたとしてもそもそもそれが確信できるかも分からない。
だからこそ自身の才能のつぼみを見つけて、そのつぼみを開花させることができたのなら、それは奇跡だ。

小さい時私の周りには最初からできている子が多かった。
足が速い子、勉強ができて頭のいい子、お話が上手な子、絵が上手な子、年下の面倒が見れる子、お菓子を作れる子、ピアノが弾ける子、友達がたくさんいる子。
才能とは最初からできるもので、私には特に何もなかったため才能がないんだと思っていました。

小学6年生の選抜選考会が人生で一番最初の衝撃的な出来事でした。
チーム内では自分が中心となってやっていてそれなりに自信があったのに、自分より上の選手がはるかに多かったです。
そこで私は将来バレー選手になることはないと思い知ったのです。
わんぱくな一面もありましたが現実的な一面もあって、将来は良い高校、良い大学、良い就職と目標設定し勉強もバレーも毎日コツコツと頑張っていました。
それでもバレーを続けたい気持ちがどこかにあり中学で辞めようとしていたのが高校も続けて、高校で辞めようとしていたのが大学も続けて、大学で辞めようとしていたのが今も続けていてという流れになります。
私は運が良かったですね。
たまたま巡り会う人が有名な方だったり、人望が厚い方だったりしたので自分の意思だけでどうにもならないところを助けてくださる方がたくさんいて。

そう。私は最初からできたわけじゃない。
運動神経は人よりはあった方でも大抵運動会でリレー選手の補欠だったり、現代文のテストで筆者の気持ちを答える問題に対して「会ったことがないから分かりません」と答えたり、記憶力なんて今もない。
才能とは私が思うに自分自身の強みのことだと思います。最初からできることだけじゃないかなと。
ここで注意していただきたいのが他者との比較ではなく、自分自身が本当に誇りに思うことです。
他者と比較したところで無いものねだりになり、良いことはほぼありません。データで活用するぐらいでしかあまり役に立ちません。

私の才能ってなんだろうとこれまでを振り返って気づきました。
私という一人の人間の才能は『“努力”という日々の積み重ね』です。
努力って簡単じゃないですし、それを継続してきたということはもっと簡単じゃないことです。
自分自身が当たり前と思ってやってきましたが、そうじゃないことだと気づきました。
ずっと遠くを見てきたせいか近くにあるものを見失っておりました。
プレーを見てくださる方に楽しんでもらいたい、元気になってもらいたいを目標に身体づくりやフォームを一から改善、スキル磨き、勝つ力を身につけています。
プログラミングの仕事でも毎日少しずつできることを増やしています。

一枚の紙にコツコツと色をつけて自分らしい華やかな一枚の絵を完成させる。
これが私の才能です。(絵は下手なんですけどね笑)

人生どんな出会いがあるのかも、何がきっかけになるか分かりません。
才能を知ると才能で何かに挑戦したり、才能で何かを目標にしたり、才能で自身も周りの人も世界も豊かにすることができる。
読んでくださっているあなたも才能を見つけ、人生を楽しんでいただけてたら嬉しいです。

新井晴夏