コロナ禍での海外遠征〜現地編〜 ーー秋山みなみ

コロナ禍での海外遠征〜現地編〜 ーー秋山みなみ

久しぶりの海外遠征5週間。
前回は出国するまでのことについて触れました。(まだご覧になってない方はぜひこちらからご覧下さい)
コロナ禍での海外遠征〜準備編〜

今回は現地での生活やテニス会場について触れていきます。
率直な感想は、エジプトについてから空港内はマスク着用が義務付けられていますが、ホテルや現地のショッピングモール含め、ほとんどの方がマスクをしておらず、マスクしている私たちが浮くくらい、コロナ禍である事を忘れるくらいの5週間でした。
ホテルも5週間の間に2箇所の場所を訪れましたが、マスク着用という張り紙は貼られているもののほとんどの人がつけておらず、ショッピングモールにもマスク警備員がいてマスクつけていない人を注意はしていましたが、みんな耳を傾けていませんでした(笑)

コロナ前と変わったことといえば、試合の前日のサイン(前日にエントリーの再確認みたいな事を行う)の際にスタッフの部屋には入れず、部屋の窓越しにサインする事や審判がコートでは常にマスクを着用していること。
また今までは負けてすぐ帰ることが出来ましたが、帰国する際にPCR検査の書類をもらうのに少し時間がかかるので、それを計算した上で最終週は行動しなくては行けないところは大変なポイントでした。

ちなみに日本に入国する際は特別な必要書類があるのですが、私はその必要書類を忘れてしまい、現地にいた優しい日本人コーチにいただきました。
ぜひ海外へ渡航する方は帰国の際の日本への必要書類の持参をお勧めします。

よく「エジプトなんかでテニスの大会があるの!?」
なんて言われますが、基本的にはアフリカ圏ではホテルの敷地内にテニスコートがあって、その敷地内で試合期間を過ごすことが多いです。

今回、1週目の試合会場はNOVOTEL HOTELという空港から車で5分くらい、敷地を出たところにテニスクラブがある場所で、2週目〜5週目はカイロ市内から車で2時間弱離れたところにある敷地内にホテルとテニスコートがある場所で試合を行いました。

写真を見るだけだと「リゾート地でいいな〜」となりますが、コートはボコボコでいつ怪我をしてもおかしくない環境、ご飯も特に美味しいというわけではないし、やれる事もテニスとトレーニング以外になく、Wifi環境も悪い。
ショッピングモールに行くのにもUberを呼んで片道40分ほどかかりますし、Uberもなかなか敷地内に入ってはくれず簡単に呼ぶこともできないとても不便な場所です。

朝ごはんが一番美味しく、種類もある程度はありますが、食べれるものは限られてきます。
今回私はお腹を壊すことはありませんでしたが、牛乳や野菜を水道水で洗っているので壊したり、スムージーをかってその際にフルーツだけでなく水や氷を入れて量を増やしていることも多くそれでお腹を壊してしまうこともあります。

今回のホテルは停電も多く、冷蔵庫の中に入れているものも悪くなっているなんてこともありました。毎日下痢なんて当たり前な日常です(汗)
右の写真のフライドチキンは、初日にテニスコートのレストランで注文したら出てきたご飯で、シェフがオーダーを間違えてこれになったようですが、普通のご飯とチキンが食べたかったのにこれが出てきた時は目が点になりました。

またランドリーが近くにある国もありますが、今回のような場所はランドリーシステムもなかったり、あっても高かったりするので、毎日手洗いをするのはマスト。
1週目のホテルには珍しく浴槽のシャワーでしたが、壊れていてシャワーのみしか使用する事ができませんでした。(海外のホテルに浴槽がついていることはほとんどありません)

このコロナ禍の中で、日本で多くの制限をされながら行動している方々がいる中で、こうして海外に出て試合をできている事はとても幸せですし、そうした場所を提供していただき、関わってくださっているすべての方々にとても感謝しています。

それは大前提の上で、その中で毎週勝ち負けを繰り返し、日々自分と向き合い戦う。1週間の試合ですべての試合を勝てる選手は1人しかいません。
なかなか勝てないとまた1週間後の試合に向けて練習して、気持ちと体を準備しなくては行けない。タフで自分自身に負けない強いメンタルを持ちあわせていないと成り上がっていけない競技だなと久々の遠征でつくづく感じました。

最高成績はダブルスの準優勝、シングルスもランキング維持という戦績で終了しました。
久しぶりの5週間の遠征の中で自身のたくさんの感情と出会いましたが、その時はしんどくて仕方がなかったけれど、振り返るとすべて今後につながる貴重な経験ができたと思います。そして改めて自分の目標を達成するためにも国際大会への継続的な参加の必要性を実感しました。

テニス会場や現地での選手の生活について触れましたが、エジプトがワクチン接種が進んでいるのか、はたまたエジプトの人がマスクをつけないだけなのかわかりませんが、コロナ禍が落ち着いて近いうちにこうしてマスクをつけないで、もっと気軽に自由に各国を行き来できる時代が訪れる事を願います。

そしてこのコラムが、少しでも誰かのお役に立てたら幸いです。

秋山みなみ